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旅の写真日記

+ キルギスで馬旅(全5頁)

旅の写真日記
キルギスで馬旅 (2)

コチコルで1泊し、翌朝早くにソンコル湖へ向けて出発した。
すでに標高1800mほどの高地なので、9月とは言え、早朝の空気は冬のように冷たい。
朝食に出たあったかいミルク粥がとてもありがたい。好物のヨーグルトもおかわりする。キルギスの民家での食事には、必ずと言っていいほど自家製のヨーグルトがついてくるのでうれしい。
食べ終えて外へ出ると、太陽がだいぶ高い位置まで上がってきている。寒さでこわばっていた体がゆっくりとほぐれてくる。太陽ってすごいなぁと思う。

朝食後、トレッキングに同行してくれるガイドのマクサット君と合流。まずは馬を借りるため、車で2時間ほど走ったキザルトという村へ立ち寄る。
マクサット君が馬の手配をしてくれている間、キザルトの村を散歩した。
通りがかりの民家の庭に、色とりどりの野花が咲いていた。きれいだなぁ、とジロジロ眺めていると、怪しいやつだと思われたらしく、民家のおばちゃんが怪訝そうな顔で寄ってきた。
「ヤポンダ?(日本人か?)」
「はい」
「どこに行く?」
「これからソンコル湖へ行くんです」
「あぁ、そりゃいい。ソンコルはきれいだよ」
話をしているうちに、おばちゃんは「花束を作ってあげよう」と言って、庭の花を摘んで大きな花束を僕にくれた。黄、白、ピンクのきれいな花束に顔を近づけると、野生味のある香りがふわっと広がった。こんな素朴なギフトがとてもうれしい。

マクサット君と再び合流し、民家の1軒で昼食を取らせてもらう。パン、ジャム、目玉焼き、羊肉・トマト・じゃがいもを具にしたキエスメという麺料理、そしてヨーグルトとあったかいチャイ。どれもシンプルな味がうまい。
この民家のおばちゃんに、さっきもらった花束を贈ると、すぐに食卓に飾ってくれた。
家の中を見回してみると、あちこちに花が飾ってあった。全部道端で咲いていた花だ。 生活するのに最低限の家具と、大きな古めかしい電話機。テレビなどわずかな電化製品。それに、キルギスの伝統手芸品のフェルトで作った絨毯や装身具。余計なものは一切ない。
何だか心がふーっと穏やかになる。心が穏やかな時はとても気持ちがいい。なので、食後にソファーを借りて、たっぷり昼寝もさせてもらった。

写真館「キルギスタン」に馬旅中の写真があります。

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